台風2015の予想は?気象庁が鋭い?

 

今年は台風の当たり年だ!と言う人がいます。

また、あるブログやまとめサイトでは「エルニーニョ現象発生中!2015年は台風にご注意!」とあおる記事が見られます。

 

でも、実際のところどうなのでしょうか。

2015年は半分以上過ぎましたが、今後の台風状況はどうなるのだろうか、という点について、主に気象庁の提供する公式データを元に考察していきたいと思います。

 

 

「台風2015はどうなる? 例年のデータから数や質を予想!」

 

2015年の台風は、いったいどのくらい来るのでしょうか。

今後の台風の状況はどうなるのか、過去のデータを元に予想してみることにしましょう。

 

まずは、国土交通省の気象庁がもっている1951年以降の年ごとの台風発生数データを見比べてみましょう。

 

2014年が23回でした。その前年、2013年が多めで31回。2012年は25回。

ちなみに年間最多は1967年の39回、最少が2010年の14回でした。

 

ばらつきが多く、傾向というのはなかなか出しにくいところですが、2015年は面白いことに、観測史上初めて、毎月台風が来ている年になっています。

現時点で、1月から7月まで、毎月台風が発生したというのはこれまでに1965年以来ありませんでした。

 

1965年1月~6月までの台風発生数=10回

2015年1月~6月までの台風発生数=9回

 

その他の年の傾向を見ると、年間発生数が少ない年は、1~6月期の台風発生数も少なく、逆に多かった年は1~6月期の発生数にも多く発生しています。

 

2015年は5月の時点ですでに台風は7回発生しています。

このペースは1971年の(5月までで9回)に次ぐ早さ。

 

その傾向から考えれば、2015年の後半に極端に発生数が減らないかぎり、30回は発生するのではないかと予測できます。

過去55年間の気象庁による記録では年平均発生回数が25.8回でしたから、それより多くなりそうなペースです。

 

*「エルニーニョ現象」と台風の関係は

 

もう一つ、気象に大きく影響すると言われているバロメーターである南米ペルー海域で発生する「エルニーニョ現象」、その対極にある「ラニーニャ現象」も考慮に入てみましょう。

 

2015年6月の時点で、エルニーニョ監視海域における海面水温の基準値との差は+1.6℃で、明らかにエルニーニョ現象が発生しているとのこと。

2009年以来のエルニーニョ現象で、「さあ、台風が多くなるのでは!?」などと騒がれていますね。

 

ネット上では「2015年エルニーニョ発生!台風に警戒」という論調のブログやまとめ記事が散見されます。

でも、本当にそうなのでしょうか?センセーショナルに書きすぎてはいませんか?

 

客観的に、過去エルニーニョ現象が発生した年と、その年の台風発生回数記録をつきあわせてみましょう。

どちらも気象庁の精密なデータからです。

 

(エルニーニョ/ラニーニャ現象発生時期は気象庁公表の資料による)

http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/shindan/sougou/pdf_vol2/2_3_vol2.pdf

 

・1972-1973年 強いエルニーニョ

 

台風発生数:72年が31、73年が21

 

・1982-1983年 強いエルニーニョ

 

台風発生数:82年=25、83年=23

 

・1997-1998年 強いエルニーニョ

 

台風発生数:97年=28、98年=16(夏が少ない)

 

・2007年春~2008年春 ラニーニャ現象

 

台風発生数:07年=24、08年=22

 

・2009年夏~2010年春 エルニーニョ現象

(日本:梅雨明けが記録的遅れ/暖冬)

 

台風発生数:09年=22、10年=14(しかし夏は普通に多かった)

 

・2010年夏~2011年春 ラニーニャ現象

 

台風発生数:2011年=21回

 

Wikipediaでの資料によると、台風発生最多(39回)を記録した1967年は、秋口からラニーニャ現象が起きていたそうです。

次いで36回を記録した1971年もラニーニャの年、1994年もラニーニャで史上最高の猛暑・暖冬だったとあります。

しかし、翌年もラニーニャ現象が続いているのに1995年の台風発生数は23。うーん、ちょっと明確には数字に反映されませんね…。

 

*結局エルニーニョって何なの?

 

ごくごく簡単にエルニーニョ現象を説明してしまうと「いつもは東風(貿易風)によってフーフーと西のインドネシアまで吹き寄せられていた熱いお湯(温かい海水)が、フーフーが弱まったみたいで、東の南米沖のほうへ広がっちゃって、アジアの海はぬるくなった。いつもより湯気が少ないよ…」ということです。

 

その逆が「ラニーニャ現象」で、これまた語弊を恐れずごく簡単に説明してしまうと「東風のフーフーがいつもより強いみたいで、西のインドネシアにどんどん熱いお湯(温かい海水)が吹き寄せられて、その影響で海底の冷たい水が対流で東の南米沖の海上に出てきて、冷えちゃった。アジアの南海のほうはぐっと熱くなって、いつもより湯気が多いよ…」

 

ちなみに、何もない年は、スペイン語で「ラ・ナーダ(La Nada)」と言うこともあるそうです。

 

それでどうなるのか?また簡単に言い切ってしまえば、「台風はエルニーニョの時期は日本から遠いところで発生しがちだ。

ラニーニャの時は日本に近いところで発生しやすいし、多くなるだろう」と表現できます。

 

補足しますと、「エルニーニョの時は、アジアの南洋で積乱雲はずっと東の方にいって、水温も上がらず、日本では冷夏で、台風が発生しにくい。

ラニーニャの時は、アジア南洋の海上水温が高めになる(ペルー沖は対流で海底からの冷水が来る)ので、日本では猛暑になりやすく、アジアでの台風は発生しやすい」ということになります。

 

専門組織の説明を見てみましょう。

気象庁の公式ホームページによれば、エルニーニョ現象と台風の関係は以下のように説明されています。

 

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq19.html

 

”統計的に有意な傾向として、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生時には、天候への影響は、以下のとおり季節や地域によって様々な傾向がみられます。”

 

”エルニーニョ現象発生時

夏に台風の中心気圧が低くなる

秋に台風の寿命が長くなる

7~9月の台風の発生数が減少する

台風の発生位置が、通年では南東にずれ、夏には南、秋には南東にずれる”

 

”ラニーニャ現象発生時

秋に台風の寿命が短くなる

台風の発生位置が、夏には北、秋には西にずれる”

 

先ほどの「アジアの南海の温かい海水が東に流れてしまい、蒸気が少ない」というのは少少荒っぽい説明ですが、

上記の気象庁公式説明でも、「7-9月の台風発生数が減少」「台風発生位置が南、南東にずれる」とされています。

 

台風の材料である温かい海面上からの水蒸気が日本(太平洋西岸)から遠ざかっていくので、理にかなっているといえるでしょう。

 

逆にラニーニャの時期は台風が多いのかというと、はっきりとそうは書かれてはいません。

 

統計データを突き合わせてみましたが、台風の発生回数とエルニーニョ現象にはっきりとした数値上の関連性を見出すことは出来ませんでした。

強いて言えば、ラニーニャ現象の時期は「台風が多く見られる」傾向があると言えますが、例外もありました。

気象というものは実に様々な要素が絡み合う、複雑な相互影響の結果なのです。

 

ところで、気象庁の資料によれば、エルニーニョの発生時期には「7-9月の台風発生数が減少」とあります。

それなのに、2015年の7月は台風三兄弟(9号、10号、11号)が相次いでやってきましたね。

 

しかも日本上陸した11号はみるみる発達し「大型で非常に強い台風」にまでなりましたね。

また12号(ハロラ)などは、本来「台風」ではなく「ハリケーン」として生まれたのに、どんどん東に移動して日付変更線を越え、いわゆる「越境台風」になりました。

 

一度は弱ったのにまた勢力を増して沖縄を襲いましたが、いずれも予想が難しいもので、このように、単純にエルニーニョと台風の関係を論じことは難しいのです。

 

まとめると、以下のようになります。

 

(1)今年は1月~6月の前半でもう9回も台風が発生、これは下記最多の年と酷似。

(2)今年はエルニーニョ現象が起きているが、一般論では夏の台風が減る予想

(3)それなのに、7月は活発に台風が発生している

 

このような要素を合わせて考えると、今年は「夏にエルニーニョ現象によるとされる台風発生数減少は顕著ではなく、このまま通常ペースで台風が出現しそうだ」と予想できます。

そうなると、1~6月のペースからいって、今年は「30回」に近い数字になるのではないでしょうか。以上、筆者の大胆な予想です。

 

「台風の進路を気象庁が予測?」

 

日本国土交通省の外局である気象庁(JMA)では、その前身組織から数えて150年あまりにわたり、日夜日本の天候を監視してきました。

その長きにわたるデータの蓄積と経験により、非常に精度の高い台風進路予測を行っていることで有名です。

 

2015年7月7日からは、最新の「ひまわり8号」が運用を開始しました。

その性能は旧型のひまわり7号(MTSAT-2)を遙かに上回り、特定地域の観測を従来の30分間から、3倍の速度つまり10分間で完了させ、しかも飛躍的な高画質で地上へデータ送信できるというものです。

 

旧型「ひまわり7号」からのデータと最新式「ひまわり8号」データとの比較画像

http://www.jma-net.go.jp/sat/data/web89/parts89/himawari8_sample_data/original/20150402_TC.gif

 

解像度は2倍にアップし、日本付近の様子を、なんと2分半ごとにスキャンしてくれ、さらに3バンド(カラー画像)のデータ収集が可能なのです。

技術大国の日本ならではの革新ですね!気象庁の台風予想は、もっとも信頼できると言えるでしょう。

 

 

「台風の最新情報はどこで手に入れれば良いの?」

 

■基本はやっぱり気象庁の情報!

 

前述のように、台風の情報を得るなら、まずは気象庁のホームページをチェックしましょう。

 

◇日本・気象庁ホームページ>防災情報>台風情報

 

http://www.jma.go.jp/jp/typh/

 

気象庁では常に精密な台風情報を発表しています。

気象庁ホームページの「防災情報」内にある「台風情報」を参照してください。

日本周辺にある台風のすべての情報と進路の予報円、暴風警戒域などの情報が一目瞭然です。

進路の予測の動画もあり、ワンクリックで非常にわかりやすくグラフィカルに紹介してくれます。

 

■さらにわかりやすいtenki.jp

 

一般財団法人日本気象協会の提供する情報もあわせてチェックしましょう!

基本データは気象庁発表のものを使っていますが、気象予報士の見立てが追加されており、ユーザーフレンドリーで見やすくて情報も豊富です。

 

◇tenji.jp > 台風情報

 

http://www.tenki.jp/bousai/typhoon/

 

専用のiPhone版アプリも出ています。

 

■米軍の情報も超精密!

この他、別のソースとしてはアメリカ軍の台風情報もたいへん有用です。

「Joint Typhoon Warning Center (JTWC)という、米軍の台風警報センターは米軍の安全のために設立されて情報を提供していますが、公開されており、誰でもホームページから情報を得ることができます。

表記には時差がありますので注意してください。

 

◇ アメリカ軍・Joint Typhoon Warning Center (JTWC)

http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 

(※すべて英語です)

 

■香港天文台(政府気象当局)ホームページ

香港政府の気象当局のサイトです。

すべてのページが英語、中国語の両方で見ることができ、精密な台風データと予想進路をグラフィカルに紹介していますので、語学が苦手でも非常に役に立ちます。

 

◇香港天文台(Hong Kong Observatory)

公式ホームページ 台風進路予想

http://www.hko.gov.hk/wxinfo/currwx/tc_gis_e.htm

 

“My Observatory”という公式アプリがiPhone用とAndroid用、Windows Phone用が出ています。

http://www.hko.gov.hk/myobservatory_e.htm

 

 

■フィリピン政府気象当局サイト

 

フィリピン周辺に台風が来ているときには、沖縄・九州地区も影響を受けやすいです。

是非ここもチェックしましょう。

 

◇PAGASA(Philippine Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services Administration)公式サイト>台風情報

 

http://kidlat.pagasa.dost.gov.ph/index.php/tropical-cyclones/weather-bulletin

 

 

■台湾の進路予想図はパーセンテージで色分け

 

沖縄に近い地域にある台湾の政府が運営する、交通部中央気象局のサイトも参考になります。

こちらのサイトでは、台風の進路における予想範囲を、可能性の高さ(パーセンテージ)によって色分けしているのが面白いです。

 

◇台湾・交通部気象局(Central Weather Bureau)ホームページ>台風情報

 

http://www.cwb.gov.tw/V7e/prevent/typhoon/ty.htm

 

公式Android版アプリ(英語)があります。

http://www.cwb.gov.tw/V7e/service/appE.htm

 

 

■インドネシアの気象当局サイト

 

台風の発生する主要海域に近い、インドネシアの気象当局のサイトもあるのですが、英語がないため日本人には使いづらいです

 

http://www.bmkg.go.id/bmkg_pusat/Default.bmkg

 

以上、日本とその周辺の政府機関などの提供する情報を得られるサイトをご紹介しました。

ブックマークに入れておき、パパッ!と開いてすばやく複数の情報から台風の動きをチェックすれば、大きな被害を未然に防げるでしょう。

 

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